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Wood PyrosによるTBIとmotivation

 歯周治療により多少の炎症徽候が存在していても、必ずしも治療の失敗を意味するものではなく、治療により良好な状態を維持させることで、臨床的に著明な炎症を認めず、ポケットの深さや歯の動揺が許容範囲内で安定し、・線的に骨吸収が明らかに停止した状態を維持させることがメインテナンスの目的となる。

(引用文献  デンタルダイアモンド増刊号vol.15 no.9 保険医のための最新歯周治療システム 292頁 保母良基,宮田裕之 日本歯科大歯周病学教室 )

 

1.歯肉炎や辺緑性歯周炎における薬物療法の占める位置 
このような歯周疾患の薬物療法としては,古くは紀元前から洗口や含欺,あるいは歯肉マッサージを目的として,蜂蜜や果汁,薬草など薬物の範疇に属する材料が用いられている。また,その効果についても,必ずしも否定するものではなかったらしい。しかしながら,現在では,これら慢性病変の原因は歯面に付着するプラークが主体であることは広く理解されている。したがって,プラークを排除することなしに薬物療法を試みても,病変が改善しないのは当然であろう。
歯肉炎や辺縁性歯周炎の治療の一環として試みられている薬物療法は,あくまでも補助的な治療法であり,プラークの排除に併用して行うことによってその効果が現われるものである。 

 おわりに
 以上記したように,慢性炎症性病変である歯肉炎や辺縁性歯周炎に著効を示す薬物療法は従来存在せず,また将来においても出現する期待は少ない。これら一般的な歯周疾患は,その病因もプラークを含めて把握し得ることが多い。治療とは病因の除去であり,その過程で薬物の適用が,病変の改善に促進的に介与することは十分考えちれる。しかしながら,薬物主体の治療は,この疾患の成り立ちそのものまでも複雑にしてしまう恐れもあり,得策ではない。現段階では,薬物療法は極めて補助的な対処法であり,歯周治療領域における薬物療法は,これら慢性病変の急性転化の際や外科的侵襲を加えた際,および原因の明らかにされていない特殊な歯周疾患の対症療法としてその価値を見い出す,とする方が無難であろう。

(引用文献  デンタルダイアモンド増刊号vol.8 no.14 トータルな歯周疾患の処置100問100答 P40,41頁 歯周疾患の薬物療法 岩手医科大学歯学部第2保存講座 上野 和之)


この考え方が一般的に認知され,WoodPyrosの使用に疑問を呈される人が多い。しかし,リンデ先生がこの考え方を全面的に肯定されていないことは,WoodPyrosを使用しているものにとって嬉しい限りである。ただ,リンデ先生は殺菌を目的とされ,WoodPyrosはポケット内の清浄効果を化学的にアシストする事を目的としている。WoodPyrosの治癒機序,作用機序はポケット内起炎物質を化学的に固体化させ,機械的清掃を容易ならしめるものである。機械的清掃なくして治癒するものではない。この点においてはSRPに優るものはない。しかし,リコール間の清掃維持において,家庭におけるブラッシングは重要である。家庭において,もっと綺麗に歯垢清掃出来ないものか?ポケット内清掃出来ないものか?という発想から,出発したものである。含嗽で事足りる夢の薬ではなく,SRPと併用した家庭における丁寧なブラッシングによって,ポケット内のプラーク,及び浸出液を可及的に減少せしめるものであると推測している。

 

お肌に曲がり角があるように,歯茎にも歯茎の曲がり角があるはず,と思いませんか? 

それを補ってやる薬液の存在があって然るべきと思いませんか?

それなのに「年を取ると生体の免疫防御反応能が衰えますので,原因菌であるプラークの徹底的な除去が必要です。ですから 若い人以上に 丁寧なブラッシングが必要です。」では,「一人でやるわ!! 」とか「歯医者をあてにして来たのが失敗だった」とか「なんとか打つ手はないのか?」と患者さんが失望するのは当たり前ではないでしょうか。

患者さんがレールに乗っかってくれないのは 何故なのか? 

薬液なしのブラッシングだけに任したからダメだったのではないか? 

再発すれば,今迄の治療費と時間は患者さんにとって,なんであったのか? 

患者さんが「歯槽膿漏はやっても無駄でしたから,あなたも触らないで,ほっといて下さい。」という言葉に逆らえるだろうか?

 

歯ブラシ指導,動機づけ,が 初期治療の最大のテーマであり,最難関の仕事です。しかし ここを軽く乗り越えられないのは何故でしょう。

患者さんは薬を求めています。効かなくてもいいのです。マッサージをするきっかけになる薬を求めています。(イベント性の欠如)
WoodPyrosを使ったモチベーションは歯周基本検査のみで行う。「これで歯磨きすれば,こうなりますよ!」と言うだけである。
人格,信頼は不要。導入の上手下手は関係なし。ただ 治したい一心の聞き取り,観察力,洞察力,判断力と適切な指導,適切なアドバイス,ほめ言葉が必要。
治せないのは貴女の診断力,指導,処方に問題あり。
WoodPyrosを使えば,ダイナミックに数字が改善されるので,患者さんは喜ぶし,自覚症状のある人は「噛めるようになった,歯茎がしっかりしてきた」と実感出来るので,続けるようになる。

このことから考えると,従来の指導はイベント性がない。歯茎がしっかりしてきたという実感に乏しい。劇的変化がない。『何故リコールに行かなくてはならないのか?』という物質的必要性がない。理知的必要性は訴求力に欠ける。

その点WoodPyrosは『薬液交換』という物的理由,『歯周検査で歯茎がよくなっているか?知りたい,確認したい』という心的欲求、『WoodPyrosを使わなければ,また歯槽膿漏になる。だから行かなくてはならない。』という心的恐怖があり,これがリコールのきっかけとなる。

 

メンテナンス

  WoodPyrosを使えば 導入,メンテナンスが 容易である。
では 今迄の導入,メンテナンスは なぜ難しかったのであろうか?

 
多くの患者は、疾患の治療には協力的であり、努力も惜しまないが、一見単調で変化のないメインテナンスには犠牲を払いたがらない。メインテナンスでの問題は、変化に乏しいことである。これは症状を持った患者を治療していく過程で、歯肉が変化していく状態を刻々と患者自身が感じ取れ、歯肉の改善を励みとすることが期待できるが、メインテナンスでの変化は、いかにも退屈なもので、その変化はあったとしても、ほんのわずかなために、見落としやすい点にある。まさにその治療の主体は患者自身に委ねられることとなり、メインテナンス治療の最大の責任がその当事者である患者自身となる。 
(引用文献  デンタルダイアモンド増刊号vol.15 no.9 保険医のための最新歯周治療システム 292頁 保母良基,宮田裕之 日本歯科大歯周病学教室 )

これを解決する方法は『歯周検査の見方を理解してもらう』ことである。医師,患者共にデータを見て,いい数字に喜びを分かち合うことだ。Wood Pyrosによるダイナミックに変化する数字と歯茎の状態が連動していることに患者さんが気づいた時,『先生を喜ばしてやろう』,という気持ちと患者さんの『喜ぶ顔が見たい』という医師の気持ちが一致した時にメンテナンスは維持されていく。

WoodPyrosは一月単位で渡して行くシステムのため,容易にリコールが可能である。ダイナミックに数字が改善されるので,患者さんは喜ぶし,自覚症状のある人は「噛めるようになった,歯茎がしっかりしてきた」と実感出来るので続けるようになる。

歯槽膿漏の家内が言っていました。「お父さん 膿のでる歯を なにも付けないでマッサージをすると ネバネバして たまったもんじゃないんよ!!」と。ここら辺に "なにもつけない 歯ブラシブラッシング"は問題ありのようだ。確かに,なにもつけないでブラッシングをすると,食べた物の味が口中に残ったままで,すっきりしない。WoodPyrosで磨いた後は,すっきりする。

最後に
大阪保険医協会主催「日常診療経験交流会」の発表後の質問のなかで,「これだったら,歯科衛生士はいらなくなっちゃうんじゃありませんか?」という質問がありました。歯周組織は歯科医院で管理されてこそ健康を維持出来るものです。1ヶ月20日50人で,1ヶ月1000人しか管理出来ません。決して歯科衛生士は要らないのではなく,歯周組織維持の管理者として重要な責務と判断を求められることにお気づきになると思います。Wood Pyrosは貴女.貴方達の強い味方,サポーター,武器,道具と思って下さい。