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13年4月14日 大阪保険医協会主催『日常診療交流会』(大阪)で発表

 

 

Wood Pyrosの薬効成分は柿渋という食品です。他成分は口に入れる事が可能なように,臭い消しのようなもの(香料製剤)と,腐らないように防腐作用をもつもの(木酢水,洗口剤)で構成されています。

 

以前であれば,抜歯したと思われる歯を抜歯することなく,今日に至っています。
ポケット値は改善しなくとも,出血がなければ良い,歯茎が腫れなければ良い,噛めれば良いとさえ思っています。

以前であれば当然抜歯である処置が Wood Pyrosを手にすると,以前よりも検査値が悪いのに「残してみよう!!」という処置に変わって行きます。
患者さんが「噛めない!」と言うまで,つき合うという感じで,Wood Pyrosを使ってもらっています。
抜歯を一本もすることなく,9ヶ月を経過しております。歯ブラシ指導だけでは,誰もついてきてくれませんが,Wood Pyrosでは,このようについてきてくれます。
この違いはどこから出てくるのでしょうか? 
1.まずWood Pyrosを使わなければ当然抜歯になった。しかし,Wood Pyrosを使っているから抜歯になっていない。この事実が大きいと思います。
2.Wood Pyrosを使えば,「ここをWood Pyrosで磨かないと効果がない!!」と言うことが出来ます。TBIをする上で,患者さんにとって非常にわかりやすい。
なにもつけない歯ブラシ指導では歯垢検知液で「ここのプラークがとれていません。だから,ここを気をつけて磨いて下さい。」という言い方をします。すると「要は歯をきれいに磨けばいいんだろ!! そんなことなら自宅で気をつけて自分でやるからいい!!」と簡単に片づけられてしまいます。位相差顕微鏡で細菌を見せても同じ事です。
抜歯に至った場合,「歯をきれいに磨けていないから,今日の状態に至った」と言っても,どうもぴんとこないようです。
しかし,比較的きれいに磨けているのに歯槽膿漏になる人を自分を含めてみるにつけ,どうも歯ブラシと歯石除去,SRPだけで,歯周組織の回復は難しいと思っているのは,私だけでしょうか? 
若い時は,フラップオペもしましたが,定期管理に応じてくれず,またポケット値が増大した時は,フラップオペは抜歯を早めるようなものだ,と思いやめました。現在GTR以外は意味のある歯周外科とは思っておりません。

薬液を作った初期の頃の症例です。
一週間で30cc容器一本を空っぽにして来たので,びっくりして測ったのが,メモした数字です。
「どうして,こんなに使ったのか?」とお聞きしたところ,「自分も自分が歯槽膿漏と気づいていて,市販の薬,なすの黒い歯磨き粉等を使ってみたが効果がなかった。今回の薬は効くと感じたので,たくさん使った」との事。
この人は5┻6Fuii MetalBondにしてくれというご注文であったが,「あなたは歯槽膿漏体質だからしない方がよい」と言ったのだが,「それは承知しているが,してくれ」という事で,メタルボンドにした。治療の間┗4が抜けた。この時はまだWood Pyrosはなかった。しかし,今回Wood Pyrosのお陰で私も安堵している。

 

最初から「こうして下さい」と難しい磨き方は強要しません。
現在の磨き方を少し修正するのにとどめます。
「ここに薬液をしみ込ませないと効果がないから,こうしてね」という言い方をしますと,そこ歯頚部を磨いてくれるようになります。
2回目の検査の時も,歯頚部が磨けているかチェックします。
意外と磨けていないですから,「こういう磨き方をすると,薬液の効果が出ます。」という言い方をします。こうやってTBIをTBIらしくない言い方で,TBIします。

 

いいデータが出た後,「この人はどれぐらいの量で維持出来るのだろうか?」と思って,Wood Pyrosの使用量を3本から2本に減らすと,このようにポケット値が悪化しました。
歯茎は敏感なものです。腫れるとてきめんにポケット値が増大します。
現在元にもどすため,4倍の使用に踏み切っています。
このことからわかることは,「その人にあった量があるという事実と確かにWood Pyrosは必要だ。」という事実です。

他院で治療中であったのを友人の紹介で来院された症例です。
口臭は治っておりませんでした。これ程口臭を気にされているのに,口臭を治せないのが,現実です。歯ブラシでよく磨けば口臭は取れるという考えでは,こういう人の口臭を取り除く事は出来ません。ポケット内の起因物質とポケットの炎症の消退を図らねば,膿を止めることは出来ません。当然口臭も改善出来ません。
次のパノラマを見れば,抜歯だらけの歯だという事がおわかりになるでょう。歯茎が退宿していて,フラットになっています。歯漕提はないと言って良いほどです。手遅れです。ここで言いたい事は,こんな条件でもWood Pyrosを使えば口臭が消えるという事実です。
炎症反応が収まれば口臭は消えるという好例です。

この人は歯肉膿瘍であったが,ポケット内に膿の排出路を作って,自然治癒したと思っていた症例です。歯肉はぶよぶよしていました。臭いがたまらず来院された症例です。

メスで切らなくとも,Wood Pyrosを綿花に染み込ませて患部におけば,自然治癒するという症例です。
以前は十文字切開をしておりました。
Wood Pyrosを手にしてからはメスを使ったことはインプラント以外ありません。
痛みがやわらぐまで何回も罨法すれば,痛みは治まります。
レーザーで患部に900mjあてても痛みは軽減されません。かえって,このような時はWood Pyrosで罨法を図った方が痛みに対し効果があります。

ポケット値改善のためにWood Pyrosを使ったのですが,聞き取りで,「この薬液を使うとアフタがでなくなった」と教えてくれた症例です。何故なのかわかりません。

ポケット値が6ミリであっても,デンタルで駄目なものは駄目という症例です。
せめて根尖5ミリのくっつきは必要です。
レントゲン的に残ると思えるのに,かんだら痛いというケースが時々あります。仕方なしに抜歯してみると根尖まで汚染されている事はよくある事です。

Wood Pyrosで頑張っても他歯は治癒しません。
やはり,他歯の炎症波及の影響が治癒速度に大きく影響します。
Wood Pyrosを使えば不思議なことですが,助からない歯は「噛んだら痛いから,抜いてくれ」という状況を作り出します。他の歯がよく噛めるようになったので,殊更噛んだら痛い歯が気になるのか,理由はよくわかっておりません。こういう事はよくあることで,主訴の痛みを治すと次はこれ,次はこれと主訴に追っかけ回される事があります。その類だろうと思います。「噛めないから抜いてくれ」という主訴のもと,抜歯します。そうすると途端に他歯は快方に向かいます。レントゲン的に保存不可と思っていても主訴にならない限り,抜くのは可哀想です。いざ抜こうとすると「待ってくれ,噛めなくなるまで待ってくれ」と言われて抜歯中止になることはよくあることです。抜かれる寂しさもよくわかります。

こういう数字を見ると,処置方針を決めるのに苦労します。
取り敢えず暫間固定をし,Wood Pyrosを使って様子を見ます。
「治るものは治る」という原則にのっとり,1ヶ月様子を見ます。
1ヶ月後暫間固定を外します。ここで,動揺の治まらないものは,抜歯します。抜歯をいやがれば,その歯は連結固定から外し,「噛んだら痛いから抜いてくれ」という主訴を待ちます。
残る歯は連結インレーを早急にします。

レントゲン写真でフローティングティースは助かりません。

乳酸菌が効くという話を聞き試みた症例です。
Wood Pyrosを使わないで,乳酸菌だけ使うという条件で試みますと10症例全てに悪化傾向が見られ,急遽Wood Pyrosを使った後に乳酸菌をまぶすというやり方に切り替えて好結果を得た症例です。
歯頚部がとくに大事ですが,歯をよく磨くのはやはり必須のようです。
乳酸菌をまぶしてやれば,一時ポケットの細菌と入れ替わり,悪玉菌を駆逐するという説です。菌交代現象は確認されておりません。お腹にいいから,口にも良いはずだという説もおもしろい。
カンジダ菌が歯周病の原因だという説にのっとり,20症例試みたことがありますが,良い結果は得られませんでした。虫歯もカンジダ菌が原因だ!! という説もおもしろい。
しかし,抗真菌薬は乱用を慎むべきですし,ファンキゾンの長期連用は副作用が危険です。
なすの塩焼きだけは,アクと塩による収斂作用と治癒機序を推定していますので,効果なしと推定しています。ですから,試みておりません。
漢方で歯槽膿漏を治すを提唱している本がありますが,成分的に長期連用は怖いと思っております。これは甘草の副作用として長期連用すれば浮腫を起こします。
化学薬品のタンニンは粘膜吸収がよく,うがいだけでも粘膜吸収され,長期連用すれば,肝機能障害を起こします。このことについては,安全性の項目をお読み下さい。
なんでもいいんです。治れば....。それがわたしの思いですし,患者さんの思いでもあると思います。

27才でこのような検査値を持つ人は必ず35才までに重篤な歯周病になります。気紛れで使う人なので,6/28もWood Pyrosによる歯磨きを続けるように言ったのですが,中断されました。

32才の時は歯ブラシ指導をしています。歯ブラシ指導で改善がみられました。しかし歯ブラシ指導では長く続かないのです。Wood Pyrosが効かないと反対されてもいいんです。Wood Pyrosみたいに,なにか目安となるものを使ってTBIを維持出来るようにする必要があるんです。私のTBIのモチベーションが下手だからかも知れませんが,Wood Pyrosなら言うことを聞くのに,TBIでは牛の耳に念仏の状態に患者さんがなってしまうのです。Wood Pyrosに効果があるにしろ,ないにしろ,リコールが長く続くのは事実で,リコールの際スケーリングが出来ることはWood Pyros使用における大きな成果と言えるでしょう。

入院によって如何に歯周組織が悪化されたかの症例です。アメリカであれば,「肉を噛めない状態にされた」と訴えられるでしょう。「入院管理が悪いからこうなったんだ」という主張です。確かにそうです。ヨーロッパにおいてもパンのかたいこと。主食は歯ごたえのあるものでないと続かないのかも知れません。入院患者,寝たきりの人に,「さぁお食べ」と言っても,このようにさせられているのですから,「今日からおかゆでなくても,いいですよ!! 普通食を食べていいですよ」と言っても,「食べられない歯周組織にしておいて,よくそんな事が言えるもんだ!! 」と怒りたくなります。この事に気づいていない看護婦さんや介護者は頓珍漢な事を平気で言っているのです。その事に気づいていない日本人は哀れです。

介護に携わる人はもっと口腔清掃管理に気を配るべきです。歯は自分で磨くものとか,多分磨いているだろうとか,自然にきれいになっていると勘違いしている節が見受けられます。介護者は赤ちゃんの歯を磨いてやるように,被介護者の口腔を清掃してやるべきです。

次に言えることは,定年退職,脳内出血による身体的障害等で歯周組織は急速に悪化します。気力が衰えると歯周組織は悪化します。

うがいによる効果はありません。
歯茎のマッサージというと歯茎の腹,頬側,舌側隆起部or豊隆部を撫でがちです。まさに歯茎を鍛えるという感覚です。効果はありません。歯頚部,歯肉乳頭部を磨くorマッサージをしなければ効果はありません。その為に歯ブラシ指導は重要です。
このことからわかることは,ポケットのプラークを可及的に取ってやらなければ駄目だという事実です。
炎症が消退すれば,コラーゲン繊維は急速に再生されますので,歯茎が堅くなるのです。
一般の読者の人はこの事をよく理解して頂きたい。
SRPと同じではないか?確かにSRPと同じ理屈です。しかし,毎日SRP出来るでしょうか? SRPしても1ヶ月の間の空白を埋める必要があります。普通の歯ブラシでは磨いた後も,ポケット内は歯垢がびっしりあるのに驚かれることでしょう。

Wood Pyrosは多分ポケット内の清掃に何らかの寄与をしていると考えています。それでなければ,治癒するはずがないからです。
2つ目に,膿の出ている組織の抗炎症作用,収斂作用が働いていると考えています。

一般読者の方へ
余談ですが,歯肉の外側を鍛えても,歯周組織に効果はありません。貝原益軒の説くカチカチかみ合わせ法の方が,歯根膜繊維を鍛えて有効です。堅いものを食べるようにしろという説は,歯についている歯垢を取り除くという歯ブラシ効果と歯根膜を鍛えるという効果を暗示しているのです。

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